こんにちは、よくばりたびこのチカです。
ご縁があってこちらのブログで記事を書かせていただくことになりました。
趣味のあんなことから実用のこんなことまで、様々な旅話をお届けします。どうぞよろしくです!
さて、実はわたし海外旅行ならアジアよりもヨーロッパ旅の経験が格段に多い。
3年前にはフランスに住んでしまったくらいヨーロッパが好き。
そんなヨーロッパフリークの私でしたが、2019年のゴールデンウィーク10連休、ついに台湾へ行く時が来ました。
結論から言うと台湾はすごく良かった。すごく良くて住みたくなっちゃった。

でも台湾の「何が」良かったの?と聞かれると、そこはまだあいまいで、好きの輪郭がふわふわしている。
小籠包に胡椒餅!って言ってみたり、ノスタルジックな町並みかなあって言ってみたり、あっちにこっちに迷ってしまう。
そりゃあそうだ、良かった理由が一つな訳ない。
でも、考えているうちに何となくわかってきたことがひとつある。
あの時の、あの味。あの時の、あの場所。
なにかを思い出そうとすると、かならず誰かと言葉を交わした記憶もよみがえるのだ。
お店のひとだったり、通りすがりのひとだったり、台湾ではヨーロッパ旅の何倍も、会話をした。
「外国人と会話をする」ということは、必ず面倒がつきまとう。
言葉の問題、見ず知らずの人間である恐怖。
それでも台湾のひとたちは、わたしに話しかけてくれた。
そしてそのさわやかな優しさを、わたしは想像以上に嬉しく感じている。
彼らの顔を思い出すとその場でにっこりしてしまうほどに。
フランスで暮らしていた時はどうだったろうかとふと考えてみる。
地方に行くと確かに優しいひとが増えるけど、気になることがあったのも事実。
少しだけフランスの実状にもふれつつ、まずはわたしが台湾でどんな人と出会ったのか、聞いてください。
台中駅で出会った女の子

台中のタピオカミルクティー発祥の店 春水堂でゆっくりしすぎたわたしと夫は、台中発 台南行きの電車にギリギリのところで乗り遅れてしまった。
タクシーを飛ばしたのに、慣れないシステムのコインロッカーで取り出しに四苦八苦してしまったのだ。
次の電車を調べようと電光掲示板を見ながらも、わたしはどうしようもない疲労感で頭を切り替えられないでいた。
するとそこに、メガネをかけた台湾人の若い女性が近づいてきたのだが、次に「どうしましたか?」と発声したのだ。
まさか日本語で話しかけられると思っていなかったので、一瞬ぽかんとしてしまったのだけれど、すぐに理解をして事情を話し、次の電車を確認することができた。
彼女の去りぎわに、わたしはありがとう、ありがとうとくりかえし言ったと思う。
でも本当は、もっと彼女自身のことを聞いてみたかったし、すごくあなたに感謝しているのよ、私たちに話しかけてくれたことがほんとうに嬉しい、という気持ちを伝えたかった。
とっさにその言葉しか出てこなかった自分が情けないけれど、それでも意気消沈していた私のこころはなぐさめられ、一気に回復。
その後無事に乗れた電車内で、すっかり気分が良くなっていたことは言うまでもない。


※これは余談だけれど、台湾では日本語を話せる人が一定数いる。でも相手が日本語を話せるからって当たり前のように振る舞わず、彼らの努力や優しさに敬意を持ちたいと思うきっかけになった出来事でした。
台南のおじさん

台南では、令和おじさんに出会った。
朝ごはんを食べるために「鴨母寮朝市」へ出向き、わたしは果物屋さんでミックスジュースを注文した。
気になる果物を二つくらい伝えるとお店の人が、ミックスジュースをすすめてくれたのだ。
わたしは、申し分なくおいしいそれをチューチュー吸いながら、夫が葱餅を買ってくるのを待っていた。
果物屋の前で道路方向を見ながらぼーっとしていたところ、ふと目の前を見たことのある文字が横切った。
「令和」
!???
よく見ると、車を降りたタクシー運転手のおじさんが、令和Tシャツを着ているではないか。
その日は2019年5月1日。つまり令和元年5月1日、年号が令和に切り替わった日だった。
わたしが「令和!?」とおどろき笑いながら写真を撮らせてもらうと、運転手のおじさんは、果物屋のおじさんにもTシャツを見せてにやっとした。
振り返ると市場のみんなが、運転手のおじさんの自慢げな顔をみて、楽しそうに言葉を交わしていた。
「あー日本のあれね!?」「今日から令和になったんだよね?」たぶんそんな会話だったんだろうな。
そんな会話の間に立っていたわたしは、ほんわか幸せな気持ちになっていた。


<後編へつづく>
